研究課題
本研究ではインフラマソームの一種であるNOD-like receptor family pyrin domain containing 6 (NLRP6)のT細胞における機能についてNLRP6欠損(KO)マウスを用いて解析を行い、以下の点を明らかにした。1) 活性化T細胞ではNLRP6の発現が増強するが、Wild type(WT)およびNLRP6 KOマウスの脾臓から分離したT細胞における亜分画及び活性化マーカーの発現は通常状態ではほぼ同様であること。3) WTとNLRP6KOマウスのT細胞を抗CD3・抗CD28抗体で刺激すると、刺激48時間及び72時間後の3H-thymidine取り込み試験で、NLRP6KO T細胞にて有意な増加を認め、CFSE法にてもCFSE陰性増殖細胞が増加することから、NLRP6はT細胞活性化における負のフォードバック機構を持つ可能性があること。また、 混合リンパ球培養(MLR)においても、WTとNLRP6KOマウスのT細胞を反応細胞、BALB/c由来の照射(30Gy)脾細胞を刺激細胞として、72-120時間の共培養を実施すると、NLRP6 KO T 細胞では有意な3H-thymidineの取り込み増加を認め、CFSE法でもCFSE陰性増殖細胞が増加したことから、NLRP6はアロT細胞の活性化の制御に関連があること。4) マウスGVHDモデルを利用した同種移植実験では、WT由来の骨髄細胞とWTまたはNLRP6 KO T細胞を移植した場合、NLRP6 KO T細胞輸注群ではWT T細胞輸注群と比較して、有意に生存率の低下を認め、GVHD臨床スコアも増悪したこと。また、他系統のマウスを用いて同種移植を施行した際も同様の結果が得られたこと。以上の結果は、NLRP6がT細胞活性化、およびGVHDの制御機構において重要な役割を持つことを示唆している。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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