本研究では、安定した腸内細菌叢の構造を変化させる原因として、3つの宿主遺伝子変異を新規に同定することに成功した。すなわち、本研究成果は、これら遺伝子変異が腸内生態系を変動させる分子機序の解明に繋がり、宿主遺伝子変異―腸内生態系間の相互作用機序において新たな知見をもたらすものと期待される。また、本研究手法は、宿主遺伝子変異が腸内細菌叢の変動に及ぼす影響を定量比較する一手法として、未知遺伝子の評価や新規遺伝子の同定に貢献するものと考えられる。将来的には、本研究成果が、疾患の予防や軽減に向けた新規バイオマーカーの発見や創薬、機能性食品・飼料の創出に繋がることを期待したい。
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