本研究の目的は、終末期がん患者の死生観を明確にし、その要素をふまえた、患者との相互作用促進のためのコミュニケーション方法に着目した看護教育プログラムを開発することである。 そのため、終末期がん患者の生と死の体験を明らかにすることを目的に質的帰納的研究を行った。在宅、緩和ケア病棟、一般病棟で緩和ケアを受ける終末期がん患者で同意の得られた者、各6名の計18名を対象に非構造的面接調査を1対象者あたり2~5回行った。分析は現象学的心理学アプローチの手法を用いた。その結果、終末期がん患者の生と死に関する体験は「死ぬほどの苦しみの体験が故の普通の生活への新たな感謝」「逃れられない死への認識とせめて穏やかに逝きたいという願い」「愛する人や誰かのために役立ちたいという希望」の3つのテーマが明らかとなった。この研究の新規性として、生と死が矛盾しておらずともに終末期がん患者の希望につながる可能性があることが導き出された。また、看護師は、普通の生活を送りながら穏やかに亡くなりたいという願いを支えながら、誰かの役に立ちたいと望む患者と他者とを結びつける役割を果たす必要があることが明らかとなった。
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