本研究の目的は、2022/23年に計画されているIceCube実験高度化に用いる新型光検出器"D-Egg"に搭載するフロントエンドシステムを開発することである。このシステムには南極深氷河という過酷な環境での長期運転のために非常に厳しい条件が課される。本研究では、高性能ADCとFPGAを用いることでデッドタイムを極限まで抑える高速デジタル化回路基板を製造し、試験用のファームウェア・ソフトウェアを一から開発してこのプロトタイプを評価した。結果として、当初要求した性能のうち基板ノイズ以外の項目において要求を満たすことを確認した。これを基に次期プロトタイプ基板を設計し、現在製作に取り掛かっている。
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