複数指標の組み合わせに基づく上総層群国本層の古環境変動の高精度復元

2018 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 17H06561
• 研究機関: 千葉大学
• 研究代表者: 泉 賢太郎 千葉大学, 教育学部, 特任助教 (40799904)
• 研究期間 (年度): 2017-08-25 – 2019-03-31
• キーワード: 国本層 / 上総層群 / 気候変動 / 氷期-間氷期サイクル / 複数指標

研究実績の概要

気候変動の将来影響を長期予測するためには、過去の気候変動の実態を解明することが重要である。特に、約79～76万年前の間氷期は現在の間氷期と地球軌道要素が類似していることが知られており、当時の気候変動の詳細解明が急務となっている。
そこで、約79～76万年前の間氷期の気候変動を世界最高レベルの時間解像度で解明することを目的として、本研究に取り組んだ。そのため、堆積速度が速く、かつ詳細な層序・年代データセットが揃っている上総層群国本層（＠千葉県市原市）に着目した。本研究では、複数の独立した古環境指標を組み合わせることによって、国本層に記録された約79～76万年前の間氷期及びその前後における古環境変動の長期変化パターン（約5万年分）を高時間解像度で復元することを目指した。
平成30年度は主に、堆積物試料の分析前処理及び観察をより効率的に進めるための設備環境の拡充や、既存・新規データの統合を行った。具体的には、堆積物試料の地球化学分析の前処理の際に必要となる電動マイクロドリルや超音波洗浄機、真空デシケーター等を、そして堆積物試料の観察用の偏光顕微鏡関連機器などを導入した。平成30年度に導入した設備品類は、研究遂行上必要不可欠なものであり、設備環境の拡充という点では大幅な進展が見られた。また研究内容に関しては、平成30年度中には国本層の堆積物試料から多くの新規データ（同位体比データや微化石データ等）が公表されたため、それらの新規データと研究代表者の既存データを組み合わせて新たな解析を行い、国本層に記録されている約79～76万年前の間氷期の気候変動について総合的に考察を深めた。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

備考

その他、平成30年度には、本研究テーマに関連した一般向け講演会等を複数回実施した。

研究成果

• [雑誌論文] 千葉セクション: 下部－中部更新統境界の国際境界模式層断面とポイントへ の提案書（要約） (2019)
  • 著者名/発表者名: 千葉セクションGSSP提案チーム
  • 雑誌名: 地質学雑誌 巻: 125 ページ: 5-22
  • DOI: doi: 10.5575/geosoc.2018.0056
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] Paleoclimatic and paleoceanographic records through Marine Isotope Stage 19?at the Chiba composite section, central Japan: A key reference for the Early?Middle Pleistocene Subseries boundary (2018)
  • 著者名/発表者名: Suganuma, Y., Haneda, Y., Kameo, K., Kubota, Y., Hayashi, H., Itaki, T., Okuda, M., Head, M.J., Sugaya, M., Nakazato, H., Igarashi, A., Shikoku, K., Hongo, M., Watanabe, M., Satoguchi, Y., Takeshita, Y., Nishida, N., Izumi, K., Kawamura, K., Kawamata, M., Okuno, J., Yoshida, T., Ogitsu, I., Yabusaki, H., Okada, M.
  • 雑誌名: Quaternary Science Reviews 巻: 191 ページ: 406～430
  • DOI: https://doi.org/10.1016/j.quascirev.2018.04.022
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著