無線通信の普及に伴い,電波干渉がシステムの性能を制限する深刻な問題となる.本研究では,異なるシステムを含む様々な電波干渉を克服するための,アレーアンテナ信号処理技術を確立することを目的とする.その中で,どの信号が希望信号であるか,また干渉信号であるかを判別することが重要となる.研究期間において,(1)希望信号を簡易に捕捉可能なアンテナ選択方法,(2)一部の希望信号に関する既知情報を用いることでその他の未知の干渉を適応的に抑圧する手法,(3)送信信号の性質を意図的に改変することで受信側において容易に希望/干渉信号を分離可能な手法,などを提案・検討し,それらの有効性を明らかにした.
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