研究課題
本研究は心筋症ゲノム解析、心筋生検1細胞解析に、予後を含めた詳細な臨床情報を統合することにより、新たな心筋症予後予測軸の開発とリスク層別化を確立し、心筋症治療におけるprecision medicineの開発を行うことを目的とする。疾患解析パネルを用いたゲノム解析により治療反応性の予測可能な遺伝子変異を日本人集団で初めて同定した。1細胞解析については、心臓組織を1細胞レベルで解析することを目的に1細胞トランスクリプトーム、心臓組織切片を1細胞レベルで1分子RNAを定量する1分子RNA in situ hybridization (smFISH)を確立した。心臓組織は心筋細胞、非心筋細胞で構成される。そこで同手法を心筋細胞だけでなく、非心筋細胞にも応用し成功した。その後バイオインフォマティクスにより心不全進展過程に出現する心筋細胞・非心筋細胞を分類することに成功し心臓組織の恒常性を1細胞レベルで詳細に解析することが可能となった。さらにヒト心臓組織から1細胞への単離が困難な場合があり1細胞解析が困難な症例もあった。そこで、心臓組織より核抽出を行い、心臓1核解析の確立も行った。フローサイトメトリーを用いて核抽出を行い、1核レベルで全遺伝子発現量を定量する1核トランスクリプトーム(single nucleus RNA sequencing)の確立に成功した。ゲノム解析、1細胞解析、1核解析を統合し心筋症予後予測に応用することに取り組んでいる。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件) 備考 (5件)
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