研究課題/領域番号 |
17H06574
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
謝 浩然 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特任助教 (40789898)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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キーワード | 流体シミュレーション / ユーザインタフェース / 空気力学 / コンピュータグラフィックス / 機械学習 / 物理シミュレーション / 流体要素 |
研究実績の概要 |
本研究は,コンピュータグラフィックスとヒューマンインタフェース分野にて複雑流体に関わるデザイン支援技術を目指し,空気力学を含む流体ダイナミックスの表現と制御のユーザーインタフェースの研究開発するものである.具体的には,(1)複雑流体の影響下の飛行デザイン支援技術の開発;(2)ユーザの手書きスケッチによる流体のベクトル場をコントロールする技術;および,(3)一般ユーザ向けて日常生活の活動支援のためのユーザインタフェースの研究開発を行う.従来法で制御困難である複雑流体のシミュレーションは,提案したデータ駆動型手法によるインタラクティブシステムの構築が可能になる.研究成果は公開する予定であり,デザイン支援研究教育にめぐる幅広い分野での利活用が期待できる.
29年度前半は,前年度(28年度)に開発を行った複雑流体影響下の機能的デザイン手法のブラッシュアップを行った.この手法は,ユーザの対話的な飛行機の形状設計を支援するように,一般化したパネル法に基づくアセンブリのデザインインタフェースの研究開発を実施した.本手法の技術的な特徴は,各アセンブリモデルの係数行列を前計算で処理し,ランタイムの計算量を大きく軽減する効果があった.本研究成果は,コンピュータグラフィックス分野のトップ国際論文誌ACM Transactions on Graphics (TOG)に採録し掲載された.
29年度後半は,スケッチベースの複雑流体デザイン手法に取り掛かる準備段階として対話型デザインインタフェースのプロトタイプ研究開発を行った.具体的には,境界要素法に基づく流体シミュレーターを開発し,シミュレーション結果から流線データの学習し,流線の特徴線を抽出した.流体ベクトル場のヘルムホルツ分野を利用し,流体要素の抽出を可能にした.最後に,これらの技術を用いてProcessingでデザインインタフェースを開発した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
29年度は,複雑流体に関わるデザイン支援技術の研究開発を行った.流体要素が乱流パネルとして計算される技術を提案し,研究成果が得られて掲載された.スケッチによる複雑流体のデザイン支援がプロトタイプ開発を行ったため,流体要素のデータ学習およびデザインインタフェースの改善が期待できる.
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,以下の2つのステップを分けて研究開発を行うである. (1)クラウドソーシングによるユーザスケッチを求めることで,流線のスケッチデータベースを構築する.さらに,対話型デザインインタフェースの改善を実施する.ユーザのスケッチ結果をリアルタイムにベクトル場を分解し,その流体要素のパラメータを推定するこ とで,リアルな物理ベース流体シミュレーション結果が得られる. (2)本研究成果を用いて応用・拡張研究として,羽ばたく飛行機のデザインに関わる複雑流体のデザインを目指して,デザインインタフェースを通して3Dモデルからのデジタルファブリケーション技術を期待できる.
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