本課題では,複雑流体の影響に焦点を当てたデザイン支援のユーザインタフェースの研究開発を目標とした.既存のシミュレーション手法では,流体計算に計算負荷が重い,意図的な制御は困難であることが背景として挙げられる.解決方策として,事前計算と深層学習等のデータ駆動型手法を用いて実時間のシミュレーションと制御が可能とした.具体的な研究開発の内容としては,以下の2点に分けて説明する. 1. グライダーのデザインに複雑流体を考慮し,まわりの流れからの空力影響が提案した事前計算行列を用いて飛行シミュレーションに応用した.本研究成果がACM Transactions on Graphics国際論文誌に採択し,コンピュータグラフィックス分野国際会議ACM SIGGRAPH 2018や国内会議Visual Computing 2018等の招待講演を行い,並びにセミナーと合わせて計6件を実施した.その他,受賞1件. 2. 条件付き敵対的生成ネットワーク(Conditional GAN)手法を用いてスケッチによる2次元流体のデザイン支援のユーザインタフェースを開発した.デザイナーによる流体アニメションのスケッチデータを収集し,従来の手法よりユーザの意図をうまく合致することを検証した.本研究成果は国際会議Computer Animation and Social Agents (CASA 2019)と論文誌Computer Animation and Virtual Worlds(CAVW)に採択した.
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