研究課題
2018年度は、前年度までに導出した仮説の検証作業を行った。仮説:1)天然ガスや水力といったエネルギー資源開発はレントの不公正な分配を理由として、不利益を受ける地元住民との間に社会的な溝を生む。2)その溝に、「環境」の名の下に成長著しい都市の市民団体が介在する結果、イシューがローカルからナショナル・スケールに拡がる。3)結果的に、資源紛争は国民国家の「ナショナリズム」に関連する意味を持ちうる。タイ及びミャンマーで関連するステークホルダーに、フォーカスグループインタビューを行った。また、これらを踏まえて、より多数のものに半構造化インタビューを行った。さらにこうして得たインタビュー結果を踏まえた研究成果に関しては、国内外の学会で討論の場を設けた。特に2018年夏に米国に1週間ほど出張し、意義深い研究交流ができた。UCバークレー校、ハーバードケネディスクールの関連研究者と意見交換したほか、同時期ボストンで開催されていた米国政治学会で研究の意義についても確認することができた。タイとミャンマーの両国でこうした仮説は一定程度検証されたものの、二国での違いも散見された。第1にミャンマーにおけるミッソンダム紛争は、タイにおけるマプタプット紛争と比較すると、中国との国際関係に規定されていた。第2に、ミッソンダム紛争はマプタプット紛争と異なり、少数民族地域の歴史的な問題に根ざしていた。第3に、マプタプット紛争はミッソンダム紛争と比較して、データの信頼性・中立性の側面が問われていた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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PacNet, Pacific Forum CSIS
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International Journal of Public Policy
巻: 14 ページ: 30-49
エネルギー・資源
巻: 39 (4) ページ: 247-251