研究課題
研究活動スタート支援
本研究の目的は,人口動態を考慮に入れた教育達成に関する階層間格差を記述し,要因を明らかにすることである.人口移動結合効果(Song and Mare 2015)を用いて,子どもが大卒に到達する人数によって階層間格差を測定した.結果,男性では格差維持傾向,女性では格差拡大傾向であることが確認された.特に女性については,出生力の点で,短大卒のほうが有利に働いていることが分かった.
社会学
本研究は,人口学と社会階層論を架橋する研究枠組みを提示している点は,大きな学術的意義があると言える.このような視点は新たな研究分野の端緒となりうる.本研究で用いた人口動態を考慮に入れた格差の指標を測定・分解する手法は,幅広い社会調査データで分析可能であり,今後の少子化・階層化社会を迎える日本において,非常に重要な分析枠組みになっている.