研究課題
本研究では、ファイトプラズマの感染に関わる宿主因子を網羅的に探索し、ファイトプラズマ感染メカニズムの全貌を解明することを目指した。昨年確立したファイトプラズマの網羅的接種系を利用して、様々なシロイヌナズナエコタイプ及び変異体シロイヌナズナにファイトプラズマの接種を行ったところ、ファイトプラズマの病徴発現において植物ホルモンが関与していることを示唆する知見が得られた。この事は植物ホルモンがファイトプラズマが感染を成立させる上で重要な因子として機能しており、その制御がファイトプラズマ病の治療につながることを示唆している。現在、様々な植物ホルモン関連因子に関するシロイヌナズナ変異体を用いて研究を進め、ファイトプラズマの蓄積量や病徴発現に与える影響を解析している。これにより植物ホルモン関連経路とファイトプラズマ感染との関連を明らかにしていきたい。また、今回確立した接種系をシロイヌナズナ以外の様々なモデル植物に適用し、さらなるファイトプラズマ感染に関わる宿主因子の探索を進める予定である。加えて、本年度は確立した接種系のノウハウを活用することで、ファイトプラズマに有効な抗生物質の効率的探索系の確立にも成功した。本系によりファイトプラズマ感染を抑える新規薬剤を探索した結果、ファイトプラズマ感染を強く抑制する複数の新規抗生物質を見出すこともできた。以上より、本年度はファイトプラズマの感染メカニズムを解明し、防除戦略を構築する上で、基盤となる知見を多数得た。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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