研究課題/領域番号 |
17H06626
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村上 龍一 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任助教 (60800505)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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キーワード | 制御性T細胞 / 組織特異性 / 自己免疫疾患 / TCRレパトア |
研究成果の概要 |
一部の自己免疫疾患が組織選択的に発症する原因は不明である。T細胞には炎症を惹起する通常のT細胞 (Tconv) 以外に抗炎症機能を有する制御性T細胞 (Treg) が存在する。これらのT細胞は多様なT細胞受容体(TCR)のレパトアを形成し膨大な数の抗原の認識を可能にしている。本研究では、組織特異的な自己免疫疾患の発症/増悪に対するTconv、TregのTCRレパトア変化の影響を検証できるマウスモデル作製およびTCRレパトア制限が組織特異的な自己免疫疾患の炎症程度に与える影響の評価を行った。結果、適切なモデル作製に成功し、TCRレパトア制限が組織特異的に自己免疫疾患の増悪に寄与することを示した。
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自由記述の分野 |
免疫学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、組織特異的な自己免疫疾患発祥の原因が組織特異的なTregクローンの欠損とそれに紐づく組織特異的な自己反応性Tconvクローンの増加によるのかを検証できるマウスモデルを確立した。さらに、Tregの分化に重要な役割を果たす転写因子Foxp3の変異と抗原認識に関わるTCRレパトアの制限が合間って組織特異的に炎症を増悪させることを示した。これまでのゲノム医学研究により免疫応答を抑制するTreg関連遺伝子と抗原提示に関わるHLA遺伝子の一塩基多型が自己免疫疾患の発症と関連があることが示唆されてきたが、本研究でその分子機構に迫ることのできるマウスモデルを確立できたと考えている。
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