研究実績の概要 |
運動器疾患をターゲットにした大規模地域住民コホートResearch on Osteoarthritis/osteoporosis Against Disability(ROAD)studyは、平成17年に立ち上げ、東京都板橋区、和歌山県日高川町および和歌山県太地町の40歳以上の一般住民を抽出し、研究の同意が得られたものを参加者として登録しており、合計3,040人(男性1,061人、女性1,979人、平均年齢70.3歳)である。要介護予防を最終目的し、運動器疾患を主たる予防ターゲットとした検診を実施し、その後追跡調査を行ってきた。すでに平成20年~22年の第1回追跡調査(3年目)、平成24年~25年の第2回追跡調査(7年目)を完了し、平成27年より開始した10年目の第3回追跡調査も終了している。 本年度は、過去4回の調査で得られた、のべ12,000例の股関節X線をKellgren/Lawrence分類を用いて比較読影を実施し、人年法を用いて変形性股関節症(股関節OA)の発生率、増悪率を算出した。股関節OAの発生率は7.5 /1000人年(男性 5.6/1000人年、女性 8.4 /1000人年)であり、有意に女性の発生率が高かった。股関節OAの増悪率は4.3 /1000人年(男性 2.2/1000人年、女性 6.0 /1000人年)であり、有意な男女差はなかった。 その上、股関節X線読影結果と、過去4回にわたる膨大な生活習慣、既往歴、職業歴、栄養など400項目以上の問診票データや、握力、下肢筋力、上下肢筋量、歩行速度、2歩値、片脚起立時間など運動機能テストのデータのリンケージを行った。
|