本研究は離床に関する動作の感知や分類について新たなセンシングアルゴリズムを導き出し、ベッド上の患者の動きを予測することでベッドからの転落を予防することが目的である。平成29年度の研究においては、ベッド上の動作を検知・分類することを目的として、圧力センサを用いて若年者・高齢者から動作のデータを取得し、様々な動きを表す特徴を抽出することで、機械的に動作を分類可能なアルゴリズムの制作を実施した。計測機器としてはベッドの4脚下に設置するロードセルセンサからマットタイプの圧感知センサに変更を行った事で、身体の各パーツごとの動作を特徴に加えることが可能になった。その結果、分析可能な情報が増え、適中の精度が増加した。また、実際に若年者・高齢者の動作パターンを取得し、長時間臥床姿勢を保持した後の動作についても検討を行ない、機械学習によって高確率な動作の適中率を導き出した。平成30年度においては、実際に病院におけるベッド上での生活時間の長い患者に対してサンプリングしたデータについて、解析を行った。解析における機械学習の手法としては、Support Vector Machine(SVM) と Random Forest(RF) の2種類の手法を用意し、比較を行った。患者の動作の同定については、看護師が記載した患者の起き上がるタイミング時間や従来から病棟で使用している離床感知センサがアラートしたタイミングの時間にデータの時間を合わせることで実施し、離床に関連した動作の特徴の検討を行なった。
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