研究課題
最終年度である2018年から2019年にかけて、本研究で開発した「介護と仕事の両立尺度」と離職意思の関連を検討することを目的に、1年間の縦断的観察研究を行った。調査対象者は、現在介護をしている労働者とした。その結果、以下のことが示唆された。1) 認知症の人を介護している労働者は「介護と仕事の両立尺度」の得点が有意に高く(得点が高いほど、両立が困難である状況を示す)、他の疾患をもつ人の介護者に比べて、介護と仕事の両立が困難な集団である2) 「介護と仕事の両立尺度」のうち、介護が仕事に及ぼすネガティブ影響(項目例:私は介護の責任があるため、仕事の予定を変えなければならない)が高いほど1年後の離職意思が高くなる以上のことから、認知症の人を介護している労働者の支援は重要であることが示唆された。さらに、介護が仕事に及ぼすネガティブな影響を軽減することが、介護離職を防ぐうえで重要な視点である可能性が示唆された。これらの結果を踏まえて、今後介護が仕事に及ぼすネガティブな影響を軽減する要因や支援方法についての検討が望まれる。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Geriatrics & Gerontology International
巻: 19(1) ページ: 51-55
doi: 10.1111/ggi.13556.