研究課題/領域番号 |
17H06650
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
寺本 千恵 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (00801929)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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キーワード | 救急外来 / 救急看護師 / 帰宅患者 / 困難 / 支援 / 高齢者 / 在宅医療 / 移行支援 |
研究実績の概要 |
今年度は、地域包括ケアシステムにおける在宅医療―救急医療に着目し、特に救急外来への受診後に帰宅する患者(以下、救急帰宅患者)に対する救急・地域の看護職が行う支援の示唆を得るために、①救急外来を受診する患者(以下、救急患者)に関する困りごととその支援について明らかにすること、②海外の救急外来・在宅医療の現場で実施されている病院から在宅への移行時やその後の支援(以下、移行期ケア)について明らかにすることを目的とした研究に着手した。 ①では、救急外来で勤務経験のある医療従事者(以下、救急医療従事者)にインタビューを実施しし、救急外来へ繰り返し受診する患者についての困りごと、および実践している移行期ケアについて尋ねた。インタビューの分析の結果は、国際学会で発表を行った。②では、オーストラリアの救急外来と訪問医療/看護団体での参与観察と移行期ケアについてのヒアリングを行った。訪問看護の参与観察では、訪問看護師に1日同行し、在宅で療養しながら生活を続けている方(以下、在宅療養者)の自宅へ訪問した。結果は、今後の学会等で公表する。 今年度の活動より、以下の知見を得た。①インタビューをしたすべての救急医療従事者は、救急患者に関する困りごとを感じた経験があった。また、中には在宅医療従事者との情報の連携不足を課題と感じていた者がいた。②オーストラリアの高齢救急帰宅患者に対しての移行期ケアは、州全体の公立病院では移行期ケアを担う看護職等のスタッフが配備されるなどシステム化されていた。今後は救急帰宅患者やその家族の認識を明らかにすることと、救急医療従事者だけでなく患者にかかわる多種多様な職種の認識を明らかにする必要があると考えられた。本研究は、最終的に急性期―地域間の情報提供等の地域で生活を続ける在宅療養者地域で支える体制づくり、制度の作成、地域包括ケアシステムの充実に寄与することが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
もともと分析を予定していたデータに関して、当研究費の交付後に活用ができないことが明らかとなり、大幅に研究計画の修正が必要となったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究のスケジュールを再考し、研究協力者との連絡を密に取り合い、今後の研究を進めることとする。
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