研究課題/領域番号 |
17H06662
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
芝 多佳彦 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 特任助教 (90802306)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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キーワード | 歯周炎 / インプラント周囲炎 / メタトランスクリプトーム解析 / メタゲノム解析 / 次世代シークエンサー / スーパーコンピューター |
研究実績の概要 |
東京医科歯科大学歯周病外来とインプラント外来にて、倫理申請をおこなって同意を得られた患者から、同一口腔内の歯周炎部位、健常歯部位、インプラント周囲炎部位、健常インプラント部位を対象に臨床データ(投薬 履歴、性別、年齢、発症時期)と共にプラークの採取を行なった。プラークからDNA、RNAを抽出・精製後、次世代シークエンサー(Illumina Miseq)を用いて、塩基配列の解読を行なった。現在は、取得したデータからスーパーコンピューターを用いてメタゲノム解析、メタトランスクリプトーム解析を行なっている。 本研究はin situで活動している細菌種や発現している機能遺伝子(細菌・ヒト)を明らかにすることであり、現在行なっているメタゲノム解析、メタトランスクリプトーム解析により、サンプル採取時の実際に機能している細菌や機能遺伝子の発現を 、口腔環境や病原因子特化型(HOMD,SILVA,KEGG,MvirDB等)のデータベースを用いて細菌種の同定と機能遺伝子 の発現を調べることが可能である。そこから得られた情報を、遺伝子ネットワーク解析を用いて検討、各郡に共通して存在する細 菌種およびその特徴を明らかにして、疾患関連細菌叢・宿主遺伝子データベースの作成・強化をおこなう。 加えて、疾患罹患部位に対して既存する治療 (プラーク・歯石の除去、抗生物質の局所・全身投与、歯周外科等)をおこなう。 現在も患者からは継続してサンプルを採取しており、歯周病治療を行う前後での病態の進行変化を基とし、従来法の治療効果の評価をおこなう予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東京医科歯科大学歯学部付属病院歯周病科、インプラント科外来患者の口腔内からのサンプル採取を行い、DNA、RNAの抽出と精製を行なってきた。 いくつかのサンプルは抽出、精製の段階でDNA、RNAが失われることがあったが、サンプル数を確保していたため、実験、研究に必要な最低限の数は確保されている。その後、次世代シークエンサーを用いた塩基配列の解読まで完了しており、現在取得されたデータを用いて、解析を行なっているが取得されたデータに異常、エラー等は見られていない。 また外来患者からのサンプル採集は継続して採取されているため、今後さらに治療前後での比較を行うことも可能である。 以上のことから昨年度の研究進歩状況は、おおむね順調に進行していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、次世代シークエンサーにより取得されたデータを用いて、解析を行なっていく。 解析は取得したデータからメタゲノム解析、メタトランスクリプトーム解析を行なっており、メタゲノム解析、メタトランスクリプトーム解析により、サンプル採取時の実際に機能している細菌や機能遺伝子の発現を 、口腔環境や病原因子特化型(HOMD,SILVA,KEGG,MvirDB等)のデータベースを用いて細菌種の同定と機能遺伝子 の発現を調べる予定である。また。そこから得られた情報を、遺伝子ネットワーク解析を用いて検討、各郡に共通して存在する細 菌種およびその特徴を明らかにして、疾患関連細菌叢・宿主遺伝子データベースの作成・強化をおこなう。 また、継続して患者からはサンプル採取を行っており、治療の前後でサンプルを採取し再度DNA、RNAの抽出を行い次世代シークエンサーを用いて塩基配列の解読を行う予定である。
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