加齢に伴う摂食嚥下筋の筋力低下を見過ごすことで、将来的に摂食嚥下障害を引き起こす可能性がある。舌の筋肉は、他の筋よりも老化による筋力低下が生じやく、高齢者に見られる滑舌の低下や食事の際のむせと関連している可能性がある。そのため筋力が低下し始める中高年から、舌の運動を行い、筋力を維持することが重要である。一方で、加齢に伴う咬合力の低下は、摂取できる食品が制限されることで栄養状態に影響を与えることが知られている。咬合力低下予防には、咀嚼筋の老化よりも歯の喪失が関連していることが示唆された。そのため、虫歯や歯周病の治療・予防による歯の喪失を防ぐことが咬合力低下予防となる。
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