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2018 年度 実績報告書

近現代のユダヤ人にとって宗教法(律法)の遵守は何を意味するのか?

研究課題

研究課題/領域番号 17H06665
研究機関東京外国語大学

研究代表者

丸山 空大  東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (90807827)

研究期間 (年度) 2017-08-25 – 2019-03-31
キーワードユダヤ / ドイツ / 律法 / 正統派 / ヘッシェル / ローゼンツヴァイク / ブーバー
研究実績の概要

平成30年度は、研究計画にしたがい、エイブラハム・ヘッシェルと、フランツ・ローゼンツヴァイクおよび彼の同時代のユダヤ教正統派の論客たちの律法理解について研究を進めた。6月には、論文「現代ユダヤ思想における律法の意味を考える―ブーバー、ローゼンツヴァイク、ヘッシェルの場合」を執筆した。本論考は令和元年度、京都ユダヤ思想学会刊行の学術誌『京都ユダヤ思想』に掲載予定である。7月にはクラクフで行われたヨーロッパユダヤ学協会第11回学術大会において、ローゼンツヴァイクの律法論に対する同時代のユダヤ教正統派の反応について発表した。ローゼンツヴァイクの律法論は、同時代の改革派と正統派の両方を批判するものであった。発表では、同時代の正統派の論客ヤーコプ・ローゼンハイムとヨーゼフ・カルレバハがこれに加えた再批判を分析した。ローゼンツヴァイクとカルレバハの関係についてはさらに研究を続け、9月の日本宗教学会において報告をおこなった。このなかで、ドイツのユダヤ教正統派の多様性を詳しく解明することができた。この成果は令和元年度に論文にまとめる予定である。10月には『フランツ・ローゼンツヴァイク――生と啓示の哲学』を刊行したが、その第9章でローゼンツヴァイクの律法理解について詳述した。以上のような研究の結果、本研究でとり上げた論者のあいだには、伝統的律法の遵守の程度や方法ではなく、律法の遵守にどのような意味を込めるのか(あるいは、遵守する理由をどのように説明するか)という点に重要な差異がみられることがわかった。この違いのために、共通の問題に直面していたにもかかわらず、かれらはお互いを肯定的に評価することができなかった。今後、伝統的律法と権威とのかかわりの諸相を文化的記憶という視点から――ユダヤ人の文化的記憶の問題については論文「ホロコーストを語ること」を発表した――分析してゆきたい。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ホロコーストを語ることーー死者の記憶と正義についての試論2019

    • 著者名/発表者名
      丸山空大
    • 雑誌名

      死生学年報

      巻: 15 ページ: 67-88

  • [雑誌論文] 現代ユダヤ思想における律法の意味を考える―ブーバー、ローゼンツヴァイク、ヘッシェルの場合2019

    • 著者名/発表者名
      丸山空大
    • 雑誌名

      京都ユダヤ思想

      巻: 10 ページ: 刊行予定

  • [学会発表] Franz Rosenzweig’s Understanding of the Jewish Law in the Light of His Orthodox Contemporaries2018

    • 著者名/発表者名
      Takao Maruyama
    • 学会等名
      European Association for Jewish Studies
    • 国際学会
  • [学会発表] ヨーゼフ・カルレバハとフランツ・ローゼンツヴァイク2018

    • 著者名/発表者名
      丸山空大
    • 学会等名
      日本宗教学会第77回学術大会
  • [図書] フランツ・ローゼンツヴァイク――生と啓示の哲学2018

    • 著者名/発表者名
      丸山 空大
    • 総ページ数
      504
    • 出版者
      慶應義塾大学出版会
    • ISBN
      9784766425680

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公開日: 2019-12-27  

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