第9次改訂学習指導要領によって新設された高校地理歴史科必修科目「歴史総合」の構造について、これまでの学習指導要領史・歴史教科書史・歴史教育論史・歴史教育実践論史に位置づけて、その特徴を析出した。その結果、「歴史総合」は、教科教育的には「主題」学習の位置づけが大きく転換したことになるものの、そのカリキュラム構成は従来の、とりわけ現行の第8次改訂学習指導要領における世界史・日本史(および小・中社会科歴史学習)のそれを発展的に継承していることを明らかにした。そのような理解から「歴史総合」を特徴づけ、単元や教材の具体案を開発することで、現場において新科目を実施可能にしていく基礎を構築した。
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