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2017 年度 実績報告書

内因性カンナビノイド(2-AG)が関わる鎮痛作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17H06693
研究機関新潟大学

研究代表者

上村 藍太郎  新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (00804535)

研究期間 (年度) 2017-08-25 – 2019-03-31
キーワード内因性カンナビノイド / 神経障害性疼痛 / 三叉神経
研究実績の概要

体内で産生される内因性カンナビノイド(2-Arachidonoyl Glycerol : 2-AG)は神経伝達物質の放出を低下させることから、鎮痛作用を引き起こすとされている。臨床応用されている神経障害性疼痛治療薬は副作用が報告されており、本研究は、2-AGをターゲットとした新規の神経障害性疼痛治療薬を目指した基礎実験を計画している。申請者らは、眼窩下神経部分切断によって作成した神経障害性疼痛モデルマウスを使用して研究を行った。これまでの研究から、2-AGの分解抑制に関わる薬剤(JZL184)が、口腔顔面領域の神経障害性疼痛の改善に効果があり、その鎮痛メカニズムとして、眼窩下神経の一次中継核である三叉神経脊髄路核におけるMAGL陽性の神経細胞の減少が関わっていることを報告した。この鎮痛作用は、JZL184がMAGLを阻害した結果、その分解基質である2-AGの分解が抑制されたため、2-AGがもつ神経伝達物質の放出を低下させる作用が発現したことによると考えている。またMAGLの神経細胞における局在を解析するために、樹状突起のマーカーであるMAP2とMAGLとの共染色を行ったところ、MAGLは神経細胞軸索の近傍および神経細胞体に発現していることが明らかとなった。
これらの結果は、2-AGの中枢における鎮痛メカニズムの解明に寄与するものであり、神経障害性疼痛の発症機序を明らかにする上で意義があるものと考えている。2-AGをターゲットとした薬剤の臨床応用に向けて、2-AGの鎮痛メカニズムに関わる基盤データを蓄積することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究では、内因性カンナビノイドをターゲットとした鎮痛効果を行動実験から評価し、その鎮痛メカニズムを免疫組織学的に解析している。行動実験は概ね順調に行うことができたが、免疫組織学的解析では免疫染色の至適条件の検討に時間を要しており実験の進捗状況は当初の予定よりやや遅れている。

今後の研究の推進方策

内因性カンナビノイドの鎮痛メカニズムの解明に向けて、免疫組織染色の至適条件の検討を引き続き行う。抗体の選択や染色条件について、研究協力者からアドバイスを受けながら研究を進める方針としている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Inhiition of the degrading of 2-arachydonoylglycerol (2-AG) attenuated orofacial neuropathic pain following an injury to the trigeminal nerve in mice2018

    • 著者名/発表者名
      Kamimura R, Hossain MZ, Unnno S, Ando H, Masuda Y, Takahashi K, Otake M, Saito I, Kitagawa J
    • 雑誌名

      Journal of Oral Science

      巻: 60(1) ページ: 37-44

    • DOI

      10.2334/josnusd.17-0005

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Involvement of the 2-Arachidonoylglycerol(2-AG) in attenuation of neuropathic pain following an injury to the trigeminal nerve in mice2018

    • 著者名/発表者名
      Rantaro Kamimura, Kojiro Takahashi, Isao Saito, Kensuke Yamamura
    • 学会等名
      The 11th Asian Pacific Orthodontic Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] 内因性カンナビノイド分解酵素阻害剤を用いた口腔顔面領域の神経障害性疼痛における鎮痛効果の検討2017

    • 著者名/発表者名
      上村 藍太郎, 山村 健介, 齋藤 功
    • 学会等名
      第76回日本矯正歯科学会学術大会

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公開日: 2018-12-17  

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