行動実験において、眼窩下神経部分切断群の切断側においてでは切断後3日から逃避閾値の有意な低下が観察され、痛覚過敏が生じていることが示された。また、JZL184の投与により濃度依存的に鎮痛作用が得られた。免疫組織学的解析から、三叉神経脊髄路核(Vc)および上部頚髄(C1-C2)におけるMAGL陽性神経細胞およびグリア細胞は神経部分切断群では有意に増加し、さらに、JZL184の投与によりMAGL陽性神経細胞は有意に減少した。これらの結果から、JZL184は神経細胞のMAGLを阻害することで、内因性カンナビノイド(2-AG)による神経伝達物質の放出低下の作用が発現し、鎮痛作用が生じたと考えられる。
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