Phox2bは自律機能の発現に重要な転写因子である。我々は過去にラット三叉神経運動核背側網様体(RdV)に存在するPhox2bニューロンが顎運動制御に関与している可能性を報告した。今回、RdVに分布するPhox2bニューロンに対して摂食や睡眠・覚醒に関与する神経ペプチドであるオレキシンがどのような変調効果をもたらすか電気生理学的に検証を行なった。オレキシン投与によりPhox2bニューロンの多くは膜電位上昇を認め、その上昇は2型受容体拮抗薬により抑制された。また、発火頻度は投与により減少を示した。以上より、オレキシンはRdVに存在するPhox2bニューロン特異的な変調効果を示すことが示唆された。
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