捕食動作の解析において研究の精度を高めるため、スプーンの圧センサーの感受性の調整、動作解析におけるモーションキャプチャーシステムの分解能の再現性について実験を行い、研究の再現性に関する研究環境の確立を行った。 実験に関しては成人の計測をはじめに行ったが、被検者5名では計測結果のばらつきが大きかったために被検者数を増やすことにより、捕食動作の実態を明らかにすべきであると判断した。被検者は男性成人20名の撮影を行えたが、被検者数が増えたことから小児の被検者を確保することが難しくなったため、小児の捕食機能に関連した実験は予定よりも遅れている。 撮影環境の分解能の評価等に時間を要したことから、動作解析においては、①捕食時の下顎・口唇(軟組織)・頭部・上部体幹 ・上肢の運動パターンについて三次元的移動距離・角度、運動軌跡、加速度の解析、②捕食時の口唇圧に関して運動パターンとの協調性や非捕食時の口唇閉鎖力との相関関係について評価、③サイズやテクスチャーの異なる被験食品の違いによる捕食時の口唇圧への影響を評価、について解析を行っているため、進捗状況としてはやや遅れている。また、計画にあげていた小児と成人のデータについて比較に関しては小児のデータが十分数得られていないことから評価を行えていない。サイズやテクスチャーに関しての解析から捕食量よりも食品の物性に応じて、捕食時の口唇圧は大きく変動する傾向が確認された。 本研究に関しては、本年でスタート支援を中断したうえ、若手研究に切り替え継続した研究を行う予定である。
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