Gan/ Lgr5-DTR-EGFPマウスにおいて、胃粘膜腫瘍の一部にLgr5陽性細胞が認められた。また、Lgr5陽性細胞の局在は、胃腺底部に特異的に存在する正常の胃組織幹細胞とは大きく異なり、胃がん組織全体に点在していた。この結果から、Lgr5により標識されるがん細胞が存在することとが明らかとなった。胃がん組織に存在するLgr5陽性細胞の役割を検討するため、DTを1か月間投与し、腫瘍の形態的・組織学的検討を行ったところ、胃粘膜腫瘍の有意な退縮が認められた。この結果より、Lgr5陽性細胞が、がん幹細胞として胃がん組織維持やがん細胞増殖、分化に関与しているという重要な知見を得た。
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