研究実績の概要 |
本研究は、①PAの一般住民における罹患率の調査(縦断調査)、②PAの発症要因に関する環境因子の解析、③バイオマーカー候補である18オキソコルチゾール、18ヒドロキシコルチゾールの測定、④ゲノムバンクから見たPAの発症要因の解析4つの調査によって構成されており、それぞれについて下記に研究実績を記す。①。2013-2017年度までの健診事業においては、ARRによるPAのスクリーニング陽性の受診者が68名存在したが、二次健診を受診したのは21名のみであった。②我々は、志賀町研究2013-15年のデータを用い、性別と年齢によりARRの分布が異なり、閉経後の女性においてARRが高値になることを示した。卵巣機能、血清エストロゲンとPAの発症やARRへの影響に注目し解析を行う方針である。③金沢大学学際研究センターに新たに設置されたのLC(HPLC1200 series, Agilent)とFTMS(Orbitrap QE plus, Thermo Fisher)を組み合わせたLC-FTMSを用いて、網羅的ステロイドホルモンの高感度測定法を確立とした。誘導体化試薬のジラール試薬でステロイドのカルボニル基を誘導体化し検出感度を増加させ、10pg/mL以下の検出限界の低濃度測定も可能となった。志賀町研究2013年~2018年度の血清検体約1000件を用いたステロイドメタボロミクスの解析中である。④金沢大学革新ゲノム情報学のグループとステロイド合成酵素や②の調査で環境因子の可能性を示唆された女性ホルモンに関連した遺伝子にターゲットを絞り、血清アルドステロン濃度との関与を解析を行っている。
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