外国語教育においては、学習者が、母語と外国語の相違を意識することにより、メタ言語能力を活性化し、適切な言語運用の能力を育てることが考えられる。このようなことばへの気づきが言語能力の向上に繋がることが伺える。しかし、母語と外国語を一体化した言語教育の視点から見る英語教育の検討が乏しい。母語との連携に関する教材開発及び授業実践研究が不足している。そこで本研究は、①既に15年以上先行している東アジア地域の中国・韓国・台湾の現行小学校英語教科書を検討し、英語教材の共通点及び注意点を明らかにし、母語との連携に焦点をあてて分析し、結果を考察する。②教科書分析から得た知見を母語との連携を取り入れる教材を開発し、授業実践を試みる。 当該年度の研究実績は以下のとおりである。 1.中国・韓国・台湾の現行小学校英語教科書の分析:母語との連携に焦点をあてて分析した結果をアジア比較教育学会で口頭発表をした。 2.母語と連携する外国語の授業実践:前年度には、ことばへの気づきを目指した外国語活動の授業実践をIATEFL国際英語教育学会及び日本全国英語教育学会で口頭発表をした。今年度には、現職教員と協働して、日本語・英語・中国語を取り入れたことばへの気づきを促進する英語科の授業を実施した。一連の授業実践及び考察を論文化した。 3.日本国内小学校英語の公開授業研究会、実践研究会に参加:小学校英語教育学会、小学校英語実践研究三重大会、京都市小学校英語公開研究会に参加した。
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