研究課題/領域番号 |
17H06716
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
高阪 将人 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成・院), 講師 (50773016)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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キーワード | 理数科教育協力 / 理科と数学の関連付け / アフリカ |
研究実績の概要 |
多くの開発途上国では,理科と数学の達成度の低さが科学技術立国を目指す上での課題であるとし,理数科教育の質的向上に取り組んでいる。そこでは,コンピテンシーに基づく教育改革の流れも受け,理科と数学の関連付けが重視されている。申請者はこれまで,理科と数学を関連付ける目的及び方法の対応関係を明らかにするとともに,調査法との対応関係についても考察してきた。その結果,従来の調査法だけでは不備があること,またザンビアの生徒が理科と数学を関連付けることができていないことが明らかとなった。そこで本研究では,考え方の統合プロセスによる関連付けの調査法を明らかにし,理科と数学を関連付ける4つの方法における生徒の実態把握調査から,理科と数学の関連付けを促す指導法を開発するものである。この目的を達成するために,以下3点を実施する。(1) パフォーマンス評価に着目し,考え方の統合プロセスによる関連付けの調査法を開発する。(2) 概念地図法,文脈依存性の調査,パフォーマンス評価を実施し,その結果及び包括的分析から生徒の困難性を浮き彫りとする。(3)これら調査結果を踏まえて,理科と数学の関連付けを促す指導法を開発する。 平成29年度は理科と数学の関連付けの調査法を開発するために,下記3点を実施した。(1) アメリカにおけるSTEM教育研究から,理科と数学を関連付ける方法及びその評価法について概括した。その内容は「アフリカ教育研究」に論文として発表した。(2) アフリカにおける我が国の理数科教育協力の実践と理数科教育開発研究の動向を調査し,その成果は「科学教育研究」に論文として発表予定である。(3) 国内の先行実施校の実態把握調査から,探究的な学習における資質・能力の育成と評価の在り方について考察し,その内容を論文として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度の目的である理科と数学の関連付けの調査法開発に向けて,STEM教育,開発途上国における理数科教育開発研究,国内の先行事例の3側面から研究を進めている。また,現地調査を実施する際の研究協力者及び調査実施校を決定することができた。 しかしながら,当初予定していた現地調査が行えなかった。現在,現地協力者及び調査実施校と連絡を取り,今後の調査に関しての話し合いを行っている。
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今後の研究の推進方策 |
STEM教育,開発途上国における理数科教育開発研究,国内の先行事例の3側面から進めてきた研究成果及び,アフリカの生徒への現地調査を通して,考え方の統合プロセスによる関連付けの調査法を開発する。その後,各調査法を用いた理科と数学の関連付けの実態把握調査を実施し,理科と数学の関連付けを促す指導法を開発する。
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