本研究では次世代移動体通信用周波数フィルタ応用に向け,希土類ScAlN膜の配向性制御とScAlN膜/LiNbO3圧電基板からなる縦型漏洩弾性表面波(LLSAW)デバイスの開発を行った。成膜条件,イオン照射条件を制御することでScAlN膜の結晶方位は制御可能であり,かつAlN膜を超える横波電気機械結合係数k152が得られることを示した。ScAlN膜/LiNbO3基板上LLSAW理論解析では,c軸配向ScAlN膜装荷によりLLSAW伝搬減衰の低減が可能となることを示し,実験においてもこの低減は観測した。c軸平行ScAlN膜装荷では結合係数が増幅し,LiNbO3単体の約1.6倍となることを確認した。
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