研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、イヌの変性性脊髄症における神経炎症を制御するため、神経保護性マクロファージを用いた新規治療法を確立することを目的とした。末梢血単球を神経保護性マクロファージに形質転換するための至適条件を決定し、作製した神経保護性マクロファージを健常犬に投与したところ、副作用は認められなかった。今回の研究では臨床試験を実施できたDM症例は1例のみであり、治療の有効性を示すことができなかった。今後、症例数を増やし投与条件を検討する必要がある。
獣医神経病学
犬の変性性脊髄症に対する治療法は未だ確立されていない。したがって、本研究により新規治療法の開発が進んだことで獣医療に与えたインパクトは大きいと考えられる。また、神経炎症は変性性脊髄症以外の神経変性疾患でも起こることが報告されているため、神経保護性マクロファージを用いた治療法が確立されれば、様々な神経疾患に対して幅広く応用できる可能性がある。