我々は、脊髄完全切断モデルラットにFGF2(塩基性線維芽細胞増殖因子)で処理したhDPCs(ヒト歯髄細胞)を移植し、損傷後の機能回復効果について報告した。しかしながら,hDPCs に対する FGF2 の作用機構及び各 hDPCs 間の回復効果の差については不明のままであった。本研究では、豊富な歯髄細胞バンクを背景として、脊髄損傷後の治療効果においてドナー間に明らかな違いがあること、すなわち移植後の治療効果にドナー個体差が存在することを確認し、DNA マイクロアレ イによる遺伝子発現解析から,損傷後の回復効果及び FGF2 処理と関連する応答性遺伝子を検討した。
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