研究課題
本研究では、Internet of Things(IoT)を体現する革新的光機能デバイスを実現する。具体的には、多彩な(可視―赤外)発光領域を有する原子層遷移金属ダイカルコゲナイド(TMDC)と電解質によるユニークな素子構造を組み合わせることで、高機能かつ高性能な原子層発光・受光デバイスの作製を目的とする。この目標に対し、平成30年度は、(1)様々なTMDCの発光特性解明と光共振器による高機能化、(2)高柔軟性を有するTMDC発光素子の作製を行った。以下にそれぞれの項目について記述する。(1)TMDC発光素子の高効率化及び新機能開拓を目指し、様々なTMDCにおいて発光デバイスを作製し、その基礎的な発光特性の解明を行った。具体的には、可視領域の発光材料であるWS2とWSe2の円偏光特性評価と人工ヘテロ構造による発光変調・制御を行った。その結果、TMDCにおいて室温円偏光発光デバイスを実現し、その偏光特性及び発光波長が人工ヘテロ界面において制御可能であることを見出した。さらに、、近赤外発光を示す新奇の二次元材料であるInSeとInSの合成・開発にも取り組み、TMDCを用いた機能性発光デバイスに新たな材料選択の可能性を示した。最後に、これらの発光デバイスに光共振器の導入を行うことで、高効率化や共振器による光物性探索も行った。(2)化学合成したTMDC単層膜を任意の基板上に転写する技術を確立し、プラスチック基板上において発光デバイス作製と湾曲による発光特性評価を行った。具体的には、WS2及びWSe2発光デバイスをPEN基板上に作製し、一軸性歪みによる素子性能を調べた。その結果、1%以上の歪みに対しても、発光性能に顕著な劣化が見られず、高柔軟性を有するTMDC発光デバイスを実現した。さらに、PEN基板上においても円偏光発光の制御が可能であり、高柔軟性に加え高機能化の両立にも成功した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Science Advances
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10.1126/sciadv.aav7282
Advanced Materials
巻: 30 ページ: 1707627~1707627
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Small
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