妊娠高血圧腎症は妊娠により血圧上昇、蛋白尿を来す疾患である。近年の疫学調査により、妊娠高血圧腎症を経験した女性は将来心血管障害やメタボリック症候群に2~4 倍罹患しやすいことが明らかになってきた。我々は妊娠中の「異常炎症」がリスク上昇の原因ではないかと仮説を立て、動物モデルを用いて検証した。その結果、妊娠中の「異常炎症」が妊娠高血圧腎症を発症させ、さらに将来の心血管障害やメタボリック症候群のリスク上昇に影響を与えていることを明らかにした。これにより、妊娠中の母体炎症を制御することで、将来の疾患リスクを減少できる可能性が明らかになった。
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