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2018 年度 実績報告書

ミクログリア制御による新規疼痛制御治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17H06757
研究機関名古屋大学

研究代表者

加納 史也  名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (40801626)

研究期間 (年度) 2017-08-25 – 2019-03-31
キーワードミクログリア / マクロファージ / 神経障害性疼痛 / MCP-1 / Siglec / エクソソーム
研究実績の概要

「疼痛」は身体への侵襲や損傷を知らせる重要な感覚である.しかし損傷が修復しても遷延する「神経障害性疼痛」がある。
そのメカニズムは神経損傷に伴う神経節内や脊髄内のミクログリアの炎症変性であることが知られている.応募者は神経障害性モデルマウスに抗炎症性M2ミクログリア誘導因子を投与することで、組織破壊的な炎症反応を抗炎症・組織再生型に転換し疼痛制御を促進することを見出した。また誘導されたM2ミクログリアの放出する細胞小胞体(エクソソーム)が周囲のSchwann細胞に取り込まれ炎症状態の制御や細胞死の抑制を行うことで疼痛制御を行っていた。
研究代表者は帯状疱疹疼痛マウスへのM2ミクログリア誘導因子投与実験を行なった。モデルマウスの疼痛スコアは改善し、その治療メカニズムの1つにM2由来エクソソームが周囲組織に多く放出され、回復に寄与していることを示唆した。またSchwann細胞に同エクソソームが取り込まれ、極性を正常時の状態へ誘導し、周囲環境を炎症から抗炎症へ変換し、Schwann細胞の細胞死を抑制した。応募者は疼痛の増悪・減弱にエクソソームの関与を仮定し、先行実験を行った。
先行実験では、超遠心分離/密度勾配遠心分離を用いて、マウス血清由来エクソソームを回収した。透過型電子顕微鏡(TEM)で形態学的解析とNano tracking assayで粒径を測定し、100nm以下の小胞をエクソソームとして使用した。エクソソームマーカーのトランスメンブレンと細胞質ゾルの一部をWestern blotで確認した。疼痛群の血清由来エクソソームはSham群と比較し、NanoSightによる計測で粒子数が3.2倍に増加していた。またWestern blotでCD3 やIgGの発現が増加した。これは局所炎症時に免疫系細胞由来エクソソームが循環することを示唆し、末梢組織と中枢神経とのコミュニケーションの可能性を見出した。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Monocyte chemoattractant protein-1 and secreted ectodomain of sialic acid-binding Ig-like lectin-9 enhance bone regeneration by inducing M2macrophages2019

    • 著者名/発表者名
      Jun Ishikawa, Fumiya Kano, Yuji Ando, Hideharu Hibi. Akihito Yamamoto
    • 雑誌名

      Journal of Oral and Maxillofacial Surgery, Medicine, and Pathology

      巻: XX ページ: XX

    • DOI

      10.1016/j.ajoms.2018.12.007

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Third molar pericoronitis in neutropenia2018

    • 著者名/発表者名
      Fumiya Kano, Norihisa Ichimura, Yukiko Wakayama, Kazuto Okabe, Hiroki Sakakura, Hideharu Hibi
    • 雑誌名

      IDCases

      巻: 13 ページ: e00419

    • DOI

      10.1016/j.idcr.2018.e00419

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 顎下腺に発生したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫を含むMALTリンパ腫の1例2018

    • 著者名/発表者名
      市村典久, 山本憲幸, 西川雅也, 山口聡, 加納史也, 日比英晴
    • 雑誌名

      日本口腔外科学会雑誌

      巻: 64 ページ: 470-474

    • DOI

      10.5794/jjoms.64.470

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] M2誘導タンパク質はマクロファージの極性変化を介して骨再生を促進する2018

    • 著者名/発表者名
      加納史也, 山本朗仁, 石川 純, 日比英晴
    • 学会等名
      第62回口腔外科学会学術総会
  • [学会発表] 歯髄幹細胞由来エクソソームのSchwann細胞への影響2018

    • 著者名/発表者名
      加納史也 市村典久 坂口晃平 中道瑛司 山口 聡 坂倉寛紀
    • 学会等名
      第17回日本再生医療学会総会
  • [学会発表] M2誘導タンパク質はマクロファージの極性変化を介して骨再生を促進する2018

    • 著者名/発表者名
      加納史也, 市村典久,  山本朗仁, 石川 純, 日比英晴
    • 学会等名
      第4回日本骨免疫学会

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公開日: 2019-12-27  

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