研究課題
①膵癌におけるHes1の機能解析膵前癌マウスモデルを用い、Hes1を欠損させると、膵発癌のinitiation・progressionが抑制されることを示した。lineage tracingの手法も用いることで、Hes1が欠損した状態であると、ADM (acinar-to-ductal metaplasia)にまでは進むものの、前癌病変であるPanIN (Pancreatic intraepithelial neoplasia)には進行できないことが判明した。マウス膵組織を免疫組織学検査および定量的PCRを用いることで検討したところ、Hes1欠損マウスではSox9の発現が低下していることが明らかになった。In vitroの検討により、Hes1がSox9の発現を制御していることが判明した。同メカニズムが膵発癌のinitiationにおいて重要である可能性が考えられた。更に、進行膵癌マウスモデルを用いて検討したところ、Hes1欠損マウスでは、進行癌の形成は完全に抑制され、また前癌病変の形成も抑制されることが明らかになった。形成された前癌病変の詳細な評価を行ったところ、Hes1欠損マウスでは病変が低gradeにとどまり、増殖力も低いものであった。これらの結果から、progressionにおいても重要であると考えられた。これらの結果をまとめて論文報告行った。②膵癌に対する新規Hes1阻害剤の有用性の検討新規Hes1阻害剤が、in vitroおよびin vivoどちらにおいても膵癌細胞株の増殖抑制効果を持つことを明らかとした。Xenograftモデルでは、投与によりコントロールマウスと比較して、マウスの有意な体重減少を認めないこと、また、腫瘍臓器には、組織学的に明らかな異常を認めないことを明らかとし、これらの結果をまとめて論文報告行った。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Oncogene
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10.1038/s41388-019-0718-5
Journal of Biological Chemistry
巻: 293 ページ: 8285~8294
10.1074/jbc.RA118.002316