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2018 年度 実績報告書

膵炎および膵発癌におけるナルディライジンの役割の検討

研究課題

研究課題/領域番号 17H06804
研究機関京都大学

研究代表者

生田 耕三  京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (60802741)

研究期間 (年度) 2017-08-25 – 2019-03-31
キーワード膵炎 / 膵癌
研究実績の概要

本研究室では、ナルディライジン(Nardilysin;Nrdc)の消化器臓器における役割について検討している。本研究では、膵特異的にNrdcを欠失させたマウス(Nrdc-cKOマウス)を用いて、平成31年3月31日までに以下の検討を行った。
(1) Nrdc-cKOマウスの膵に、腺房導管異形成(acinar to ductal metaplasia:ADM)、アポトーシス、膵萎縮を伴う慢性膵炎が自然発生していた。このことから、マウスにおいて、膵のNrdcは膵炎の発生を抑制していることが分かった。
(2) 三次元培養を用いた実験系により、Nrdc-cKO膵のADM形成は、主に非細胞自律的であることが示された。一方、生後3週のNrdc-cKO膵の膵外分泌細胞ではいくつかのケモカインの発現が亢進していることが示され、ケモカインの過剰発現によって膵炎が引き起こされている可能性が示唆された。
(3) Kras変異下において、膵特異的にNrdcをノックアウトしたPtf1a-Cre; Nrdc(flox/flox); KrasLSL-G12Dマウスを作製した。コントロールであるPtf1a-Cre:KrasLSL-G12Dマウスの膵では、生後4週では膵癌の前癌病変である膵上皮内腫瘍性病変(pancreatic intraepithelial neoplasia:PanIN)はほとんど形成されないが、Ptf1a-Cre; Nrdc(flox/flox); KrasLSL-G12Dマウスの膵では、同時期でPanINの形成が認められた。このことから、マウスにおいて、膵のNrdcは膵腫瘍の形成を抑制することが分かった。
(4)NRDCの免疫染色を用いた検討により、ヒト膵癌の一部でNRDCが欠失していた。このことから、NRDC欠失がヒト膵癌形成に関与している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Nardilysin inhibits pancreatitis and suppresses pancreatic ductal adenocarcinoma initiation in mice2018

    • 著者名/発表者名
      Ikuta Kozo、Fukuda Akihisa、Ogawa Satoshi、Masuo Kenji、Goto Norihiro、Hiramatsu Yukiko、Tsuda Motoyuki、Kimura Yoshito、Matsumoto Yoshihide、Kimura Yuto、Maruno Takahisa、Kanda Keitaro、Nishi Kiyoto、Takaori Kyoichi、Uemoto Shinji、Takaishi Shigeo、Chiba Tsutomu、Nishi Eiichiro、Seno Hiroshi
    • 雑誌名

      Gut

      巻: 68 ページ: 882~892

    • DOI

      10.1136/gutjnl-2017-315425

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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