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2017 年度 実績報告書

妊娠期表皮幹細胞のheterogeneityによる増殖亢進メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17H06809
研究機関京都大学

研究代表者

一條 遼  京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 特定助教 (50804382)

研究期間 (年度) 2017-08-25 – 2019-03-31
キーワード皮膚 / 幹細胞
研究実績の概要

皮膚は、外部環境から体内を保護する生命維持に必須のバリアであり、新陳代謝を繰り返して組織の恒常性を維持している。表皮の中で増殖能をもつ細胞は、基底層に存在する基底細胞と呼ばれる未分化の細胞群である。現在、表皮基底細胞全てが表皮幹細胞であるとするモデル(Stochastic model)が支持されている。しかし、申請者の研究によって、急激な皮膚の増殖が起きると考えられる妊娠期腹側表皮では、性質の異なる表皮幹細胞の出現が示唆された(Ichijo et al, 2017)。表皮幹細胞のheterogeneityは近年、急速に発展した1細胞解析技術によって解明できると考えられる。そこで本研究では、妊娠期表皮幹細胞のheterogeneityが表皮の増殖亢進を可能とするメカニズムの解明を研究目的とした。
非妊娠、妊娠マウス腹側表皮の表皮幹細胞を単離し、single cell RNA sequenceを行った。その結果、非妊娠マウスの腹側表皮幹細胞と妊娠マウス腹側表皮幹細胞では細胞集団の分布が異なることがわかった。
妊娠期腹側表皮では、転写因子であるTbx3の発現が亢進することを我々は同定している(Ichijo et al, 2017)。Tbx3 cre ERTマウスを作製し、Rosa26 H2B GFPマウスと交配することでタモキシフェン誘導的にTbx3を発現した表皮幹細胞をトレース可能なマウスを作製した。Tbx3 cre ERTマウスを用い、Tbx3陽性細胞の分子的特性を解析する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

表皮幹細胞のsingle cell RNA sequenceを行ったため。

今後の研究の推進方策

single cell RNA sequenceの結果を詳細に解析し、妊娠期に出現する新たな細胞集団の特性を解析する。
Tbx3 cre ERTマウスを用い、Tbx3陽性細胞の特性を解析する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Tbx3-dependent amplifying stem cell progeny drives interfollicular epidermal expansion during pregnancy and regeneration2017

    • 著者名/発表者名
      Ichijo Ryo、Kobayashi Hiroki、Yoneda Saori、Iizuka Yui、Kubo Hirokazu、Matsumura Shigeru、Kitano Satsuki、Miyachi Hitoshi、Honda Tetsuya、Toyoshima Fumiko
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 8 ページ: -

    • DOI

      10.1038/s41467-017-00433-7

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 妊娠期の腹側皮膚伸展を可能とする表皮幹細胞ダイナミクスの解明2017

    • 著者名/発表者名
      一條 遼、小林 大毅、米田 早織、飯塚 ゆい、久保 嘉一、松村 繁、北野 さつき、宮地 均、本田 哲也、豊島 文子
    • 学会等名
      2017年度生命科学系学会合同年次大会

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公開日: 2020-03-17  

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