研究課題
研究活動スタート支援
声帯瘢痕は難治性であり、その治療としてはTGF-β1の制御が重要であるが、副反応を避けるためより選択的な治療法の開発が必要であった。我々は、核内レセプターNR4A1の選択的アゴニストであるCytosporone B(Csn-B)による線維化抑制効果に着目し、線維化関連遺伝子の発現をリアルタイムPCRで、また組織拘縮の指標としてゲルアッセイを行った。結果はCsn-Bを添加した群においてコラーゲン関連遺伝子を抑制し、ゲル拘縮も有意に抑制していた。
耳鼻咽喉科学
本研究により、Csn-Bの投与がTGF-β経路を選択的に制御し、より副反応の少ない治療選択を提示しうることを証明した。声帯瘢痕への薬剤投与経路としては局所注射が可能なため、従来のCsn-Bの全身投与による線維化抑制と異なり、より臨床応用できる可能性が高いと考える。本研究成果として、海外学会1回、国内学会1回、英文誌掲載として評価を受けた。