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2017 年度 実績報告書

黄斑疾患における補償光学搭載光干渉断層計を用いた網脈絡膜循環のライブイメージング

研究課題

研究課題/領域番号 17H06819
研究機関京都大学

研究代表者

宇治 彰人  京都大学, 医学研究科, 特定助教 (60534302)

研究期間 (年度) 2017-08-25 – 2019-03-31
キーワード補償光学
研究実績の概要

1) AO-OCTの開発:Canon社の協力のもと補償光学光干渉断層計(AO-OCT)プロトタイプ機の開発は既に終了している。現在、特定臨床研究審査委員会での審査に向け準備中である。そのため、正常被検者での撮影は行っていない。すでに設置済みの補償光学走査型レーザー検眼鏡AO-SLOを用いた正常被検者、患眼での撮影は継続して行っている。
2)高解像度OCTA(HR-OCTA)の開発:AOを適用しない場合、OCT angiography(OCTA)画像はAO-SLOと比較すると解像度が低い。特に、深層にあり、かつ緻密な脈絡毛細血管板は網膜毛細血管よりも描出が困難である。装置本来の面分解能の低さに加えて、画像に光走査により生じるノイズがあり、十分に血流信号が分離できず不連続な血管像を描出するのが低解像度の原因である。装置本来の面分解能の向上には将来的に融合するAO技術が不可欠であるが、ノイズと血管像の不連続性の改善だけでも理論的には、脈絡毛細血管板の描出は可能である。すでに種々の市販OCTAで使用できる高画質化のソフトウェアの開発は終了している。加齢黄斑変性症、糖尿病黄斑症、中心性漿液性脈絡網膜症などの疾患眼での撮影を行い、定量解析方法の検討を行っているところである。主に網膜静脈分枝閉塞症での解析を行い、血管密度、血管径、血管輝度の定量値の分布が黄斑浮腫に与える影響について検討を行っている。また、現在撮影が可能であるAO-SLOとOCTAで撮影した血管網のデータ比較を行っている。結果、AO-SLOを用いておもぷ膜の4層構造が分離可能であり、血管の3次元構造が把握できることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

特定臨床研究審査委員会の設置により、AO-OCTによる撮影がすでにできる状況であっても申請に時間がかかっているため、撮影が開始できない状況である。審査時間を考慮すると半年以上先になる見込みである。その他についてはおおむね計画通りの進捗状況である。

今後の研究の推進方策

特定臨床研究審査委員会の審査を経て、AO-OCTの撮影を開始する。加齢黄斑変性症、糖尿病黄斑症、中心性漿液性脈絡網膜症などの疾患眼での撮影を行い、定量的画像解析を行う。当科で長く行ってきたAO-SLO研究で培った解析手法を用いることで、視細胞密度、視細胞配列、血管径(外径、内径、壁厚)の定量を行い、視力、変視症、視野との関連を解析する。またこれらパラメータの抗VEGF製剤を用いた治療効果、血糖コントロール、血圧コントロールに伴う変化を観察し、病勢の指標を探索する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 高解像度OCTアンギオグラフィと補償光学走査型レーザー検眼鏡を用いて可視化した網膜微小循環の3次元構造2018

    • 著者名/発表者名
      石倉雅治、宇治彰人、村岡勇貴、大音壮太郎、辻川明孝
    • 学会等名
      第122回日本眼科学会総会
  • [学会発表] Imaging chorioretinal microcirculation using adaptive optics and OCT angiography2018

    • 著者名/発表者名
      宇治彰人
    • 学会等名
      第172回日本臨床眼科学会
    • 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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