平成30年度は、4月~6月までの間は、平成29年度の3月に、オランダ、スイス、フランスで収集した資料を整理、データ化の作業を行った。7月に、パリに1週間滞在し、シネマテーク・フランセーズで開催されたクリス・マルケル展覧会やパリ国立図書館のアーカイブでの追加調査を行った。展覧会の調査では、シネマテーク・フランセーズ研究員のGabriella Monelle氏に話を伺い、資料の出所や詳しい情報などを共有していただき、最新の調査結果を知ることができた。 7月のパリ滞在では、アニエス・ヴァルダ映像作品の配給会社シネ・タマリスのアーカイブの訪問も申し入れていたが、オフィスが水漏れの被害にあり、しばらく公開できないとの旨で訪問は叶わなかった。ただ、ヴァルダ本人の承諾のもと、シネ・タマリスの職員が、ヴァルダのインスタレーション作品についての資料を一部データ化して送付くださった。 8月~3月は、平成29年度に収集した資料と平成30年7月に収集した資料を併せて、整理・データ化を進めるのと並行して、資料の読み込みと分析を行った。 研究成果の一部は、5月25日の第44回日本映像学会全国大会、2月14日の恵比寿映像祭日仏会館共催シンポジウム、3月23日の日本映像学会関西支部研究会にて発表した。また、クリス・マルケルの最新の調査を一部反映した論考を、ドキュメンタリーマガジンneoneoに寄稿した。また、2019年夏に刊行予定の『ジャン・ルーシュ(仮題)』(森話社)や、『Arts and Media』(大阪大学文学研究科文化動態論専攻アート・メディア論研究室紀要)にも、研究成果の一部を反映した論文が掲載される予定である。
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