研究課題/領域番号 |
17H06824
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
芸術一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
東 志保 大阪大学, 文学研究科, 助教 (00803165)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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キーワード | ドキュメンタリー映画 / 移動 / クリス・マルケル / アニエス・ヴァルダ / ヨリス・イヴェンス |
研究成果の概要 |
本研究は、記録映画の歴史において重要な作品を残したヨリス・イヴェンス、クリス・マルケル、アニエス・ヴァルダの映像制作における「移動」の意味について検討したものである。成果として、以下の3つの事項が挙げられる。 1)アーカイブの調査によって、移動を通して制作された映画作品の生成過程、およびイヴェンス、マルケル、ヴァルダの交流関係の一部が明らかになった。2)一次資料、二次資料、映像作品の分析によって、彼らの移動をもたらした社会情勢、およびポストコロニアルの思想の動向と映像作品の関係性を示した。3)作品の美学的側面を、一次資料によって明らかとなった移動の理由との関連性において検討した。
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自由記述の分野 |
映画学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上記に上げた研究成果の一部は、論文3本、研究発表4件の形で発表された。(論文3本は2019年夏に刊行決定)研究発表のうち2件は文化機関主催のイベントの枠組みで行われたものであり、学界のみならず広く社会に公開するべく積極的に活動を行った。学術的意義としては、三者の作品の関連性について「移動」を共通項として焦点を当てることで、個別の作家研究に新しい視座をもたらしたと共に、戦後ドキュメンタリー映画のひとつの潮流の再発見を促した。社会的意義としては、記録映画の表現における移動の役割を明らかにすることで、移動が一般的なものとなっている現代社会を再考する契機を促した。
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