一般的に界面とはマクロスケールでは厚みのない「面」で定義されるが,原子・分子スケールの界面は数nm程度の厚みを有していることがこれまでの分子動力学の研究からも理解されている.本研究では,固体と液体や固体と気体の界面領域における局所において,熱力学量・エネルギー輸送量を算出したが,従来の界面におけるエネルギー(熱)輸送は,今回のような局所量に基づいて検討されておらず,本研究の結果は従来の界面エネルギー輸送がさらに微視的な点から解釈可能であることを示唆している.本研究に基づき,界面エネルギー輸送の分子論に基づく詳細なメカニズム解明が今後期待できる.
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