研究課題/領域番号 |
17H06864
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
古田 紫帆 (望月紫帆) 奈良教育大学, 次世代教員養成センター, 特任准教授 (60469088)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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キーワード | 授業研究 / 教師教育 / 協同学習 / 教員研修 / 教育方法 / 教員養成 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、授業中に認知したことの記録を複数人数で共有できるシステムを開発し、奈良女子大学附属中等教育学校の技術科担当教員と、奈良教育大学の学生の協力を得ながら、システムを用いた授業研究の演習を試行することができた。 そのときに、授業観察チームとして、観察視点の役割を明示的に設けて演習に取り組む場合と、そうでない場合とで試行することができた。それらの結果を比較すると、授業観察チームを設けた場合のほうが、システムを利用する意義が明確になり、観察者の授業認知の変容が期待できることが明らかになった。例えば、授業担当者の視点から授業を見るために、授業担当者にウェアラブルカメラを装着していただき、その中継画面を観察する中での気づきを共有する役割、教室中を自由に動きながら気づいたことを共有する役割、そして、システム上での協議を進行する役割とでチームを構成すると、ウェアラブルカメラの中継を観察する役割からの情報と、教室内を自由に動いて観察している役割からの情報とでは、生徒の学習状況の解釈が異なり、その違いに気づく場面もみられた。 また、観察者の専門分野が観察対象の授業の教科以外であったとしても、授業を観察しながらシステム上で授業認知を共有し、協議できることが明らかになった。 最後に、これらの試行において、システムで改修すべき点も、明らかになった。例えば、現状では誰のどのコメントに対する返信なのかがわからないということや、コメントを入力している途中は他の観察者の投稿内容がわからなくなるなど、複数人数での協議を円滑に行う上で改良すべき点がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画段階では、平成29年度は、[a] 観察者のための研修プログラムとガイドブックの試作の開発および試行を行うこと、[b] 授業研究の試行を4段階で評価し,研修プログラムやガイドブックを修正する予定であった。実際は、このうち[a] が完了しており、現在[b] に取り組んでいるところである。そのため、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、平成29年度の試行を踏まえてシステムの改修を行い、引き続き試行を重ねる予定である。その時に、システム上の協議における学習状態の解釈の妥当性等について評価するとともに、成果について理論的枠組みを整理する。さらに、それらを踏まえて演習用ガイドブックを改良し、広く公開できるようにする。
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