研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、ポジトロン断層法などの癌診断装置に用いられいるシンチレータの開発を行った。シンチレータとは放射線を可視・紫外光に変換する蛍光体材料であり、上記の用途では、高い発光量及び数ナノ秒程度の短い発行寿命が求められている。本研究では、この発光特性を示す候補材料として有機無機ペロブスカイト型化合物に着目し、フェネチルアミンに置換基を導入した有機物を有機層に導入することで発光量の向上を試みた。一連の研究活動を通じて、発光量20000 photons/MeVを示す材料の作製に成功した。
量子ビーム物質科学
高齢化に伴い、癌診断装置の需要がますます増加していくものと予想される。今回、開発したシンチレータの性能は、ポジトロン断層法で使用されているシンチレータGSO:Ceよりも優れた発行特性を示すものである。今回の成果を活用し、大きな単結晶を育成する技術を開発することで、ポジトロン断層法の癌解像度がさらに向上するものと期待される。