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2018 年度 実績報告書

ヌタウナギの体液ホメオスタシス:体液調節能力はどこから来たか?

研究課題

研究課題/領域番号 17H06876
研究機関島根大学

研究代表者

山口 陽子  島根大学, 学術研究院農生命科学系, 特任助教 (70801827)

研究期間 (年度) 2017-08-25 – 2019-03-31
キーワードヌタウナギ / 環境適応 / 体液調節 / 内分泌系 / 脳下垂体 / 後葉ホルモン / 腎臓
研究実績の概要

昨年度確立した飼育実験系を用い、ヌタウナギを異なる塩分環境に移行するin vivo実験を行った。qPCR解析により、Na+-Cl--K+共輸送体や、水チャネルのアクアポリンといった既知体液調節関連分子が鰓と腎臓に発現することを確認した。このことは「順応型」のヌタウナギが、「調節型」生物と類似の物質輸送系を持つことを示唆する。
さらに、後葉ホルモン受容体を2種類同定した。顎口類では7種類、同じ円口類のヤツメウナギでも5種類の受容体が同定されている。ヌタウナギが複数の受容体を持つことは、後葉ホルモン系の分子・機能的多様化の第一段階が、ヌタウナギの分岐以前に完了したことを示唆する。また、後葉ホルモン系が鰓と腎臓を制御するしくみは、「調節型」のしくみに先んじて確立されたと考えられる。
交付申請当初は、qPCRに続いてこれら機能分子の組織内局在を調べることを予定していた。しかし本年度の予算状況を鑑みて、RNA-Seqによる網羅的な遺伝子発現変動解析(DE解析)を優先すべきと判断した。
DE解析では、鰓・腎臓のいずれにおいても、塩分環境移行に伴うNaCl輸送能の変動は確認できなかった。また、硬骨魚真骨類とは異なり、体液調節における鰓の役割が限定的であることが示唆された。一方で、腎臓が外環境塩分変化に応じてアミノ酸輸送と酸塩基調節を行うことを見出した。ヌタウナギはアミノ酸を細胞内に蓄積して浸透圧調節に用いることが報告されている。このため筋肉でもDE解析を行ったところ、腎臓と連動するアミノ酸輸送系を見出した。本研究結果から、ヌタウナギの適応戦略においては、アミノ酸を用いた細胞単位での体液調節が重要であり、腎臓がこれを補助する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 円口類ヌタウナギの後葉ホルモン受容体(仮題)2019

    • 著者名/発表者名
      山口 陽子
    • 学会等名
      第34回 日本下垂体研究会学術集会
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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