研究課題
研究活動スタート支援
メカニカルストレス(MS)による骨形成促進のメカニズム解明を目的として,取り出したマウス頭頂骨に対してバネによる張力MSを負荷した。頭頂骨縫合部は時間依存的な伸長および骨芽細胞マーカーの発現上昇が観察され,MSにより膜性骨形成が促進することが明らかとなった。また,その機序として核の変形,YAP/TAZの核内移行が関与している可能性が考えられた。
発生学
機械的ストレスにより骨形成が促進するとは古くから知られていたが,その詳細な機序は明らかとなっていない。本研究により,膜性骨化部位である頭頂骨では縫合部に存在する細胞がMSに反応し,骨芽細胞へ分化することが示唆された。これまでに内軟骨性骨化部位では骨細胞がMSを受容すると報告されていたが,膜性骨化部位では骨細胞ではなく未分化幹細胞がMSの受容細胞である可能性があり,今後の骨発生に関する研究や創薬を考える上で重要な結果であると思われる。