本研究では、造血幹細胞ニッチとして注目されている血管周囲ニッチに着目し、さらには血管周囲ニッチを、動脈周囲ニッチと静脈周囲ニッチに分けて解析し、それぞれのニッチ細胞の役割を解明することに新規性がある。また、これまでのGVHD 治療は、免疫担当細胞をターゲットとしたものが中心であるが、本研究により、血管ニッチを照準とした新たな治療手段開発への糸口となることが期待される。さらに、骨髄GVHD の造血幹細胞ニッチ傷害のメカニズムが解明されれば、骨髄GVHD だけでなく再生不良性貧血などの、造血幹細胞ニッチをふくめた微小環境の異常に起因していると思われる、他の病態解明にも発展する可能性がある。
|