本研究は日本人2型糖尿病患者において生化学的検査、生理検査、生活習慣、大血管障害、細小血管障害、使用薬剤の評価を実施し、横断的・縦断的に解析することで血清脂質が細小血管合併症の発症・進展へ与える影響を明らかにすることを目的とした。日本人2型糖尿病患者763例を対象とした横断調査において各種潜在的交絡因子の調整後も糖尿病性腎症の有病率と中性脂肪、Lipoprotein(a)との間に正の関連がみられ、糖尿病性腎症のリスク因子である可能性が示唆された。今後、ベースラインデータを拡充するとともに縦断研究へ移行し腎症の新規発症および進展への影響について調査する方針である。
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