研究課題/領域番号 |
17H06922
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
熊谷 亮 福岡教育大学, 障害学生支援センター, 助教 (40796570)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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キーワード | 軽度知的障害 / 境界域知能 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,通常学級に在籍している軽度知的障害および境界域知能の子どもを対象として,①本人に対する聞き取り調査・教師に対するアンケート調査・各種諸検査(適応尺度/学力テスト/知能検査)を実施し,学校適応に関する実態把握を行い,それに基づき②「通常学級に在籍する軽度知的障害/境界域知能の子どものための学校適応支援マニュアル」を作成・開発すること,その上で,教師や保護者が支援の必要性に気づくことが難しい軽度知的障害/境界域知能の子どもの支援ニーズの気づきを促し,個別の指導計画の立案の有効性について検討することである。研究成果として,モデル事例のデータベースを作成し,冊子にして配布する。平成29年度では,軽度知的障害のある本人や教師に対してインタビューやアンケート調査を行った。本人への調査では,小中学校時代を振り返り,教師からの支援や学校環境などに関して必要なサポートについて聞き取った。また,教師に対する調査では,軽度知的障害の疑われる児童1名についての特別な支援ニーズや学習到達度,行動特性とその対応などについて評価をしてもらった。さらに,IASSIDDアジア環太平洋地区会議において,アジアと米国における軽度知的障害児の支援研究について討論および情報収集を行った。調査内容は各国の軽度知的障害/境界域知能の児童生徒の教育と学校現場での合理的配慮についてであった。 現在,収集したインタビューおよび調査によって収集したデータを整理・分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り,インタビュー調査,アンケート調査によるデータを収集し,分析を進めている。計画していたスケジュールに沿って研究を継続する見通しである。
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今後の研究の推進方策 |
軽度知的障害/境界域知能の児童生徒を対象に,アセスメントや個別の指導計画の作成,指導・支援等の介入研究を行い,支援マニュアルの有効性を検証する。また,通常学級の教師や保護者を対象にワークショップを実施し,意見交換を行い,支援マニュアルの有用性について検証する。さらに,実際に適用したモデル事例のデータベースを作成し,保護者や教師が閲覧/活用しやすい様式の冊子にして配布する。なお,公開にあたってはプライバシーに留意し,匿名性の高い表現に記録などを書き換える。 前年に得られたデータを分析・検討し,結果を取りまとめ,研究成果の発表を行う。
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